昨日は日銀の金融政策決定会合、そして会合後の総裁会見と大きなイベントが開催されました。
金融政策は現状維持。金融緩和継続です。まあそうだろうな〜といった感じですね〜。
弱い日本の強い円。
そんな為替が話題になっている昨今、手にした本がこちら。
「弱い日本の強い円」。佐々木融さんの本です。
為替相場は国力を反映する。日本の財政赤字拡大で円は売られる。人口が減る国の通過を買う理由などない。。。などなどの為替に関する解釈の問題点を説明。
為替相場に関する解説はトンチンカンなものが多い、そのような情報に惑わされないように、米ドル/円レートだけでなく、クロス円もみて、幅広い通貨の相対的な価値変動を見ようと言った注意喚起がなされていました。
そして、為替相場は長期的には何によって予想できるのか?そのほか、大震災直後に円高が進んだ理由、大規模介入に効果がなかったのはなぜ?と言った、為替相場の変動要因についても解説した本です。(ちなみに2011年の本です。)
10年以上経った2022年。2011年とはかなり状況が変わっているだろうな〜と思うところも多々ありました。
筆者が現状どう解釈しているのか、気になります。
時代によって変化しないような、為替に関する基本的な知識は浅くではありますが、学ぶことができました。
読みやすくて、内容も面白いので、おすすめですよ。
為替相場は主に何によって決まるのか?
為替相場は、中期的には主に貿易や資本のフローがどちらに向かって流れているかで決まり、長期的には主に物価上昇率の差で決まるとのこと。
主な要因は上述の通りですが、他にも
- 対外純資産を多く持つ国なのか、対外負債を多く抱えている国なのか?
- 経常収支は黒字か赤字か?、赤字の場合は貿易赤字が主因なのか、それとも所得収支の赤字が主因なのか?
- 現状として投資家はリスク選好傾向か、リスク回避傾向か?
- 国家間の金利差
などなど、いろんな要因が複雑に絡んで為替は動いています。
米ドル/円は今後どうなっていくのか?
米国の株式に投資している身からすると、ドル円レートは運用成果に多分に影響を与えますので、ドル円レートがいくらなのか、将来どうなるのかは非常に興味を持っています。
最近、米ドルは他の通貨に比べ強い通貨となっていますが、アメリカが経常赤字国(貿易赤字の影響大)で、債務国であることを考えると、長期的にはドル安というシナリオを描くのが妥当と考えられます。
直近のインフレ率もすごいことになっていますし。
また、ロシアや中国など、アメリカと対立している国家が、決済における米ドルの使用を控えることになれば、米ドルの基軸通貨としての地位も揺るがされる可能性があります。
以上のことでドル安が進行しても、それ以上に円安が進行すれば、ドル円は上昇していくわけですが、将来の為替がどうなっていくのかは正直分からないところですね。
やはり、自分の資産を守るのに通貨分散は欠かせないです。
円預金一択はリスクが大きすぎる、かといって米ドルだけで資産を持つのも危険ですね。
金融緩和について
金融緩和について以下のような記述がありました。
その(金融緩和の)強制的な終了は、インフレという形でやってくるのではないだろうか。逆に言えば、インフレになるまでこの異常な金融政策は続けられることになってしまいそうである。今後10〜20年後くらいの長期的な視野で為替相場を考えると、日本は結果的にインフレ率が上昇し、これまでとは異なり異常な円安が進むリスクがあると考える。(ただし、これは目先の10年以内程度の期間では起きないと思うが)。
弱い日本の強い円 佐々木融
本の中では、需要増によるインフレではなく、通貨信認の低下から起きるインフレを悪性のインフレと表現していました。
たった今起こりつつあるインフレは、需要増が主因ではなく、エネルギー価格高騰、物流危機、世界的なインフレ、円安等々が主因となっています。
現状のインフレが悪性のインフレではなく、異常な円安が進むことがないことを祈ります。そして、気がついたら円安が止まらない、制御不可能になっていたなんてことがないことを祈ります。
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